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少年H 
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妹尾河童著「少年H」を読みました。感想に入る前にこの本の簡単な紹介を・・。

「少年H」は1997年に講談社から出版された主に戦時中を描いた著者妹尾河童の自伝小説であり、当時は200万部を超える空前のベストセラーとなりました。

さてさてこの「少年H」ですが、その反論本として「間違いだらけの少年H」なるものも出ております。妹尾さんは自身の体験に基づいたノンフィクションだと主張しているのですが、どうやら「少年H」には明らかに間違っている箇所がある(しかもたくさん)らしいです。実際「間違いだらけの・・」の指摘は正しいようで、この小説は限りなくノンフィクションに近い・・フィクションという事になります。
はい。というわけでフィクションだ!と言われて面白さが半減、どころかほとんど無くなってしまったのは事実です。残念ながら・・。

主人公である若き日の妹尾少年はものすごく好奇心が強い少年。敬虔なキリスト教信者である母と外国人をお得意さんとする仕立て屋の父を持つ彼は周りの子供とは少し違った環境で育っていきます。日本中が戦争一色の雰囲気の中「戦争って何だ??」と常に自問自答していた妹尾少年。そして彼自身も戦争と言う嵐の中に巻き込まれていく・・。

初め読んだ時は「こんな斬新な考えを持った子供がいたのか!」と素直に驚きました。なんせ戦時中の日本で「日本が負ける」なんて考えを持った人が(しかも中学生!)いたなんて話は聞いた事がなかったもので。いつの時代でもやっぱり中学生は反骨精神を持つものなんだなぁと逆に嬉しくなった程です。そんな妹尾少年が見た「戦争」がこの「少年H」の中では展開されています。

んーでもそれがフィクションだとねぇ。この本の面白さは妹尾少年の時代を超越した先見の明にその大部分があるというに。これらにウソが混じっているとなるとね。「間違いだらけの・・」を読んでいないので何とも言えませんが、これでは妹尾少年は結局普通の中学生だったんじゃないか!という事になってしまいます。でも実際のところはどうなんでしょうねぇ。裏で出版会社その他もろもろの黒ーい力を感じてしまうのは私だけでしょうか?

でも小説中の自然描写には何やらぐっと来るものがありました。戦争中でも自然は自然なんだなぁと。終戦日に見た抜けるような青い空。戦争が始まっても終わっても、自然だけは変わらずいつもの表情を見せていたなんて表現がありましたよね。あと妹尾少年が開戦前に田舎に疎開した時の場面。世の中はこれから戦争だと慌ただしくなっている中、そこだけ取り残されたかのようにのんびりとしているんですよね。そんな田舎で無邪気に遊ぶ妹尾少年がこれから待ち受ける事実を思うと・・・思わず目頭が熱くなってしまいました。 
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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

【2006/01/15 23:42】 | 読み物 | コメント(0) | page top↑
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