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「解夏」 さだまさし
gege

さだまさしの「解夏」を読みました。表題作他、「秋桜」「水底の村」「サクラサク」の全四篇から成る小説集です。知人からの薦めがこの本を知ったきっかけだったのですが、初めはそんなに読む事に積極的ではありませんでした。こういうのって大抵味気の無い自叙伝のようなものだろーと高を括っていたもので。いや、読んで良かったです。ほんとに。さだまさしがこんなにも文才に溢れている人だとは知りませんでした。久しぶりに良い本に巡り合った感じです。

それではちょっとした感想を・・
体中を蝕みそして徐々に視力を奪っていく奇病「ベーチェット病」、決して自分がかからないという保障はありません。だんだんと目が見えなくなっていく恐怖は一体どれほどのものなのでしょうか。健康体の私達からは想像も出来ないほど恐ろしく、そして孤独なものなのでしょう。筆者はこれを「行」になぞらえ、この長く苦しい行の果てに待つ解放すなわち「解夏」が題名の由来となっています。奇しくもベーチェット病は完全に失明した時が完治の時なのです。

もし自分がベーチェット病にかかったとしたら・・・その時何を考えるでしょうか?恐らく本編の主人公である隆之と同じように、一番大切な人にはこの苦しみは決して共有して欲しく無いと考えると思います。自分には相手の人生を決める権利も無いし、またその責任も重過ぎて簡単に負えるものではありません。「例え一瞬であっても自分の事を重荷に感じる時があるならば、死ぬよりも辛い思いをするだろう」という隆之の思いにもの凄く胸が痛みました。切なすぎる・・。

自分を親身に思ってくれる相手に対する本当の優しさ、思いやりとは一体なんなのだろうという事を真剣に考えさせてくれた一冊です。他の収録作品も、現代に生きる我々が忘れかけている「何か」を思い出させてくれるような素晴らしい作品ばかり。読んで損は無いと思います。

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この「解夏」ですが映画では大沢たかおが主人公を演じたそうですね。小説のイメージにかなり近いキャスティングで少し驚きです。今度借りてみてみたいと思います。

あと、これは偶然なのかそれとも作者の意図なのか分かりませんが、完全に隆之が失明するシーンのページは白い部分が多いですよね。これって隆之の心象風景を表しているのかなと読んでいる時ふと思ってしまいました。まぁ偶然だとは思いますが・・。何かもやもやしたものがここでパーッと晴れていくそんな印象を受けました。

「光が見えるから暗闇が見える。暗闇というものは光が見えない者には存在しない」
・・深い言葉です。
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テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

【2005/12/04 11:31】 | 読み物 | コメント(0) | page top↑
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