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企業のモラル
さて、最近話題になっております「フェロシルト問題」ですが・・。

来春から同じ業界に身を置く自分にとってはとても他人事とは思えない事件です。

「フェロシルト」とは石原産業(本社大阪市)が製造する土壌埋め戻し剤(土の代替品のようなもの)の製品名です。このフェロシルトは、同社の製品である酸化チタンの製造の際に出来る汚泥をリサイクルして作ったものであり、「環境に優しいリサイクル品」として県の認定を受けていました。京都・奈良・愛知・岐阜の四府県にまたがる広い地域でこのフェロシルトは使われていましたが、実はこの中に産業廃液が故意に混ぜられ続けていたというのがこの騒動の簡単なあらましです。

kn33.jpg

↑ 問題のフェロシルト(画像は三重県の環境HPより引用)
過去の四大公害病の教訓から日本の化学会社は環境に対する認識を改め、二度とこの悲劇を繰り返さないよう真摯に環境問題に向き合ってきました。環境負荷を低減し持続可能な社会を構築する事は、今や化学を扱わない企業でも当たり前のように取り組まなくてはいけない事となっています。

社長の会見では、全て当時の副工場長の独断であるとの事でしたが(これが社長の発言か?という以前に人間性を疑いますが・・しかもこの社長は当時の工場長!)、一体どのような流れで産廃を混入させる「決断」に至ったのかは決して明らかにはされないでしょう。

しかし彼らだって化学を扱う者の一人なのだから化学者としての最低限のモラルはあったはずです。環境に産業廃棄物をばら撒く事は何を意味する事なのか、化学にあまり馴染みがない一般市民よりはずっとずっと良く分かっていたはずなのです。

近隣の住民へ与えた被害はもちろんの事、リサイクル製品に産廃を混ぜたという信頼を裏切るような行為は決して許されるものではありません。ちなみにこの会社は以前にも廃液を海に垂れ流していた事で告発を受けています。同じ過ちを二度繰り返す事の愚かさ。化学会社は取引を企業間で行なう事が多いので、過去の雪印のように一般消費者からそっぽを向かれるという事が無く、それも会社内で膿がたまっていった原因のひとつだったと思います。会社内の組織を一新し、この膿を全て吐き出さなくてはまた同じ結果を招く事となるでしょう。

そして今現在、同社で働いている社員および研究者の方々もこの事件の「被害者」と言えると思います。主力製品であり、石原産業が世界有数のシェアを誇る酸化チタンは主に白色顔料として使われますが、最近では光触媒の分野でも大きな注目を集めています。今回の騒動で石原産業は言うまでもなく大きなダメージを受けました。その結果少なからずこれからの研究活動にも支障が出て来ると思われます。今後、優秀な学生を採用する事も難しくなっていく事でしょう。何も知らずに会社を信じてこれまで真面目に働いてきた社員の方が不憫でなりません。これからの未来を担う酸化チタン事業にも大打撃を与えてしまったのです。

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今回問題となった産業廃液は主にこの酸化チタンの製造過程で出てくるものでした。研究者にとって欲しいもの以外のいらないものをいかに減らすかという事は永遠の命題ともいえます。この廃液の処理にも苦心された研究者の方もきっといらっしゃったと思います。それが混ぜて捨てると言う会社として一番やってはいけない形になってしまった・・。

研究で一番大事なことは事実・結果に対して正直である事です。それは学生研究であれ、企業に入ってからの研究であれ決して変わらない事だと思います。ズルをすれば必ず自分達の首を絞める事に繋がる。外的要因が大きくなればなるほどこのモラルを保つことは難しくなっていくでしょう。でもそんな時にNOと言える強い意志が研究者には必要だと思います。
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【2005/11/11 01:18】 | かがく | コメント(1) | page top↑
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コメント
現場の様子
こんにちは。

フェロシルト問題、先日石原産業の問題の製造ラインや三重県の処分場などを見学してきました。感想と、たっぷりの写真でルポしました。
三重県と石原産業の密着ぶりを改めて感じました。

何回かに分けましたので、シリーズのトップをトラックバックしますね。
【2005/12/10 13:37】 URL | てらまち #-[ 編集] | page top↑
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