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ニューヨーク・バーク・コレクション展


東京都美術館で開催されているニューヨーク・バーク・コレクション展(1/24~3/5)に行って来ました!

本展は世界有数の日本美術収集家として知られる、ニューヨーク在住のメアリー・バーク夫人が40余年をかけて収集した日本美術コレクションの「里帰り」展覧会です。作品は縄文の土器から絵画・書跡・彫刻・陶磁器まで多肢に渡り、まさに日本美術の「歴史」 を見ると言っても過言ではありません。
とにかく作品数が多い!普通に見てまわっても一時間はかかるくらいの分量です。幅広いジャンルの美術品が出展されているので、普段見る事の無い分野の作品にも触れることが出来とっても良い勉強になりました。せっかくなんで印象に残った作品の感想をつらつらと書いていきたいと思います。作品名にあるNo.はカタログ番号です。

1. 縄文土器、3. 弥生土器
教科書では良く見ていたけど実物を見たのは今回が初めて。縄文土器が意外に大きくてびっくり。いやーしかしこの土器の製作者はまさか何千年もの時を越えて自分の作ったものが世に残るなんて思いもしなかっただろうなぁ。そう考えると妙な親近感が湧いてくるから面白い。

6. 天部形立像
両腕が切り取られ、体中に虫食いの痕が走っているという見た目は異形そのものの木彫り仏像なのですが・・ものすごく表情が良いのです。これぞ仏の微笑み!といった感じ。そのギャップがこの作品の魅力を一層引き立て、見る人に強烈な印象を残しているのではないかなと思いました。

39. 愚庵
葡萄のツルに止まるセミを描いた水墨画です。ものすごく絵の線が薄く葉っぱとかはまるでレントゲン写真のように透けて見えるんですよ。単純に色が薄いってわけではないのです。セミの薄ーい羽を墨の濃淡だけで表現できるなんてスゴいよなぁ。

52. 肩衝茶入
これまであまりというか全く茶器には興味は無かったのですが・・これは素直に「美しいな」と思いました。バーク夫人はこの茶入れを初めて見た時一体どのような感想を持ったのでしょうか?彼女のセンスはほんとうに素晴らしいものだと思いました。

69. 柳橋水車図屏風
大きな屏風に描かれた柳橋の絵。当時の人達は橋を「現世と来世を繋ぐ神聖なもの」として見ていたという事です。この作品はちょっと遠くから全体を見るようにしてみると良いかなと思いました。黒く浮き出た月と合わせて・・この世とあの世の境目を描いたようななんとも幻想的な屏風絵です。

74. 西行物語図屏風
今回展示されていた屏風絵の中では一番好きな作品です。他の屏風絵に比べて色彩が薄い感じがありますが、その分全体が落ち着いてまとまっています。人物や建物、木々など細部の描写がものすごく細かい。この絵を見ていて、当時の外国人が日本を「黄金の国ジパング」と評したのも何か不思議と頷けるような気がしました。

78. 洛中洛外図屏風 
とにかくスケールが大きい!描写が細かい!見ていて飽きません。当時の権力者は一体この絵をどんな気持ちで見ていたのかな。

82. 懐月堂安度
これまで江戸時代の美人絵は好きではなかったけどこれはいいなぁと思いました。百人一首で有名な猿丸大夫の『おくやまに紅葉ふみわけ・・』の歌と合わせて一本!びびっときました。絵に歌を合わせるというセンスは現代にも脈々と受け継がれているものですよね。かっこいいポスターは写真とキャッチコピーがどっちも立ってこそ!というあの感じです。

85. 鳥文斎栄之 雪・月・花図
これまた女性を描いた美人図なのですが、カッコいいんですよ!風にたなびく黒の着物と凛とすました立ち姿。ちょっとジョジョを連想してしまいました。吉原の遊女を描いた作品という事ですがとにかくクール、そして女性の芯の強さが見事に表現された作品だと思います。

88. 柴田是真 茨木図屏風 
武将に腕を取られた鬼がその武将の母親に化けて腕を取り返しに来るという話をモチーフとした作品です。構図が大胆で描かれている鬼が迫力満点なんですよ。月並みな表現ですが今にも屏風から飛び出して来そうな勢いです。こんな屏風が家にあったら見た子供はトラウマになっちゃうだろうな。

96. 酒井鶯蒲 六玉川絵巻
井手、三嶋、調布、野田、野路、高野の六玉川を描いたコンパクトサイズの絵巻物です。川の青色がものすごくキレいでした。こんな小さいサイズの絵巻物は初めて見たのでとても新鮮。家に一つくらい欲しいなぁとそんなのんきな事を考えていました。

102. 曾我蕭白 石橋図
パンフレットにもある獅子・石橋・瀑布の三点セットの絵です。構図が最高!遥か高くにそびえ立つ石橋が見事なアングルによって表現されています。獅子も一匹一匹が表情豊かで絵全体に躍動感が溢れています。贅沢を一つ言えばもう少し大きい作品であって欲しかったかも。

104. 長沢藘雪 
絶壁に立つ一本の松の木と月を描いた抽象的水墨画。説明が無いと思わず「?」となる絵ですが、状況を説明されるとぼんやりとその状況が目に浮かんで来るから不思議です。ターナーの絵の水墨画版といった感じと言えば分かりやすいかもしれません。


このバーク・コレクション展、見る前はバーク夫人の事は何も知らなかったので「外国の人が集めた日本美術品?だったら日本に返してよー」なんて思っていました。見終わって感じた事は、我々は日本人だけど日本の美術品の事を誰よりも良く知っているのだろうか?という事です。実は灯台もと暗しといった感じで自国の美術の素晴らしさに気付いていない事が多いのではないでしょうか。

バーク夫人が生涯をかけて築き上げた日本美術のコレクションは、はからずも我々日本人に忘れかけていた日本文化の奥深さと豊かさを再認識させてくれたと思います。自分が日本人であるなら、他の国の人に自国の文化くらいはちゃんと説明できないといけないなとそう思った一日でありました。
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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/01/29 00:25】 | アートなひと時 | コメント(4) | page top↑
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コメント
こんばんは
TBありがとうございました。

この展覧会とても楽しみにしています。
行く前にこちらの記事も拝見させていただき
「予習」したいと思います。
【2006/01/29 00:30】 URL | Tak #JalddpaA[ 編集] | page top↑
こんばんは。
ご無沙汰です。

バーク・コレクション展
行って参りました。
こちらのblogのように
きちんとまとめられませんでしたが
TB送らせていただきます。
【2006/02/09 22:34】 URL | Tak #JalddpaA[ 編集] | page top↑
はじめまして
TBありがとうございます。
日本文化を心から愛してもらっているようで、かえってバークさんに恐縮です。
とてもいい展示でした。
【2006/02/10 13:09】 URL | cafenoir #6yxzhLWg[ 編集] | page top↑
Takさん>

レポート興味深く読ませて頂きました!

Takさんのブログはいつも参考にさせてもらっています。これからもまたお世話になる事がありましたら宜しくお願いします。

cafenoirさん>

たしかに、見終わった後は「恐縮」という気持ちになりますよね。自分達日本人ももっとしっかりしなくてはなーと思います。

【2006/02/11 10:33】 URL | tak #-[ 編集] | page top↑
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