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タミフル -Tamiflu- と鳥インフルエンザ
タミフルの備蓄が足りないだとか世界的な感染症になるだとか鳥インフルエンザ関連のニュースがしきりに騒がれている今日この頃。でも我々にはまだその実感があまりないといった所が実際です。鳥インフルエンザよりも今年のインフルエンザをどう乗り切るかの方が問題なわけで。 
 
鳥インフルエンザって何?と簡単に説明すると、要は「鳥がかかるインフルエンザ」の事です。我々人間と同じく鳥さんもインフルエンザにかかってしまうのです。ただヒトと鳥とではインフルエンザウィルスの種類が違います(ここはちょっと重要)。この鳥インフルエンザは現在アジアを中心として猛威を振るっており、ここ日本ももちろん例外ではありません。京都の養鶏場で鳥インフルエンザにかかったニワトリが見つかったというニュースは記憶に新しいところだと思います。

でも今の日本で鳥インフルエンザが蔓延している!全国で学級閉鎖に!というニュースは聞きません。鳥インフルエンザは鳥→鳥へと瞬く間に感染していきますが、実はヒトにはほとんど感染しないという性質を持っています。ヒトに感染した例は中国や東南アジアでこれまで数百人程度が報告されていますが、「大流行」というわけではありません。なんかそこだけ見るとそこまで驚異的な感染症ではないのではないかなーと思ってしまいますが、鳥インフルエンザの本当の恐ろしさはここではありません。 
これまでの鳥インフルエンザのヒトへの感染経路は全て「鳥→ヒト」であって、「ヒトからヒト」に感染した例はまだ確認されていません。ウィルスは突然変異を良く起こす事が知られていて、もしここでインフルエンザウィルスが変異を起こしヒト→ヒトへと感染するウィルスへと変化したら・・これは大惨事です。この鳥インフルエンザウィルス(H5型と言われています)はもちろんヒトインフルエンザウイルスと型が違う為、これまで有効だった治療法・予防法が全く応用できません。また致死率が30%と非常に高く毒性が強いウィルスでもあり(SARSの3倍!)、予想では全人類の四分の一が感染するのではないかとも言われています。過去のスペインかぜの流行(1918~1919年)もインフルエンザウィルスの突然変異によるものだと言われていますが、この時は感染者数6億人(!)死亡者数は4000万人にものぼりました。とりあえず今のところはその突然変異は起こっていません。でもいつ起こるかも分からないのです。    

tamiflu.jpgそんな鳥インフルエンザの「唯一の」特効薬として知られるタミフル。ここまで来るとタミフル様々、出来る限り備蓄しないとだよという事になるわけです。しかしこのタミフル、もちろん数は限られていますし大量生産も急には出来ません。現在のペースでは全人類の20%をカバーする量を製造するのに10年はかかるという事。何とも気の遠い話です。こんな現状を受けて発売元である製薬大手ロシュは各国にタミフルを製造する事の許可・奨励を始めました。これは製薬会社では「異例の」出来事と言って良いでしょう。製薬会社は日々「一秒でも早く」他社よりも先に新薬の特許を取ろうと必死になっているわけです。これは例えれば音楽会社がCDのコピーを積極的に奨励するようなもの。いかに世界が鳥インフルエンザに対して危機感を強めているかが分かると思います。

hakkaku.jpgしかしいくらタミフルを製造しても良いよ!と言われても技術が無くては何にもなりません。ロシュではタミフルの原料に香辛料である「八角」を用いています(右の写真)。八角の中に含まれているとある成分がタミフルの材料となるわけですが、だからといって八角をすり潰して混ぜてはい出来上がりとはいきません。その必要な成分だけを「純粋に」取り出してあげる精製技術が必要なのです。   
被害が大きい東南アジアの国々でも自国でのタミフル製造を計画していますが、多くの国にとってこの技術の「壁」が問題となっています。八角の原産地であるインドネシアでさえも自国だけではタミフルを作る事が出来ず、「純粋に取り出した」後の原料をわざわざ輸入しなくてはならないといった状況にあります。これでは製造の効率も上がらないし、何よりも経済面で大きな負担となる事は明らかです。そしてそれに追い討ちをかけるようにタミフルの原料である「八角」の値段の高騰。タミフルの製造能力を世界レベルで増強する事は急務ですが、こういった問題もありそうそう簡単にはいかないといったところが現状なのです。

先程も言ったように鳥インフルエンザはまだ人間同士での感染は確認されていません。もしかしたらこれらの事が大いなる取り越し苦労に終わる事もあるのです。そしてこのタミフルが変異したウィルスに100%有効かという確固たる保証もありません(ウィルスはすぐに耐性を持ってしまいます。実際にタミフル耐性ウィルスが様々な研究グループによって報告されています)。タミフルの副作用での死亡例がこれまで数多く報告されているという事も忘れてはいけません。様々な事を天秤にかけて・・・各国が「鳥インフルエンザ大流行」に備えて準備を整えているのです。 

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日本はタミフルの約7割を使用する最大の消費国。しかし現在の所国内でタミフルを製造している製薬会社はありません。もちろん日本の製薬会社にとって前述した「壁」はそれほど大きいものではないでしょう。カネにモノを言わせてタミフルをかき集めている日本と(まだ実害無し)、何とか最低限のタミフルでもいいから頑張って製造しようとしている他の国々。あなたはこの現状をどう思いますか??  
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【2006/01/08 12:02】 | かがく | コメント(0) | page top↑
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