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時計仕掛けのオレンジ "Clockwork Orange"


71年スタンリー・キューブリック監督作品「時計仕掛けのオレンジ」を観ました。色々な意味で自分にとって衝撃的な作品となりました。こんな映画がこの時代にあったという事が驚きです。最も多感な中学・高校時代にもしこの作品に出会っていたら、きっと自分の中で何かが変わっただろうなぁ。
主人公アレックスはレイプ・暴力・麻薬と悪逆の限りを尽くす少年グループのリーダー。ある日いつもの様に民家に強盗に入ったアレックスは、仲間の裏切りから警察に捕まり投獄される事に。長い獄中生活を送るアレックスは「二週間で出所出来る」という条件と引き換えに国の推奨する「更正プログラム」を受ける事に同意する。その「更正プログラム」とは性や暴力に対して激しい嫌悪感を覚えるように人間を強制的に洗脳するプログラムだった・・。


と映画の流れはこんな感じです。この映画は暴力シ-ンがとっても強烈に描かれています。特に有名なシーンはアレックスが『雨に唄えば』を口ずさみながら老人&婦女に暴行する場面。噂には聞いていたけどここまでとは・・。こういうものに嫌悪感を示す人はちょっと観ない方が良いかもです。自分も初めに観た時は思わずうーんと唸ってしまった程。ちなみにこの唄は台本には無くアドリブのものだったそうな。 

このままだと単なるバイオレンス映画で終わってしまいますが、アレックスが更正プログラムを受けた後から大きく話が変わっていきます。前述したように洗脳されたアレックスはこれまで日常的に行なってきた暴力、そして性に対する衝動を根こそぎ奪われてしまいます。もう悪い事が一切出来なくなるわけですね。
悪人の矯正。これが大きな一つのテーマとなっています。洗脳で悪人を根本から変えてしまおうとする国と、それに反対し悪人は改悛させる事に意味があると主張する収容所の所長と神父。「洗脳はモラルを選択する権利さえ奪ってしまう」という神父さんのセリフが特に印象に残っています。これは青少年の犯罪が増えてきた現代の日本でも通じる事なのではないでしょうか。犯罪を犯した青少年にとっては何が更正なのか?機械的に更正プログラムを受けさせる事なのか?それともモラルの選択を教える事なのか?自分は青少年犯罪に対してこれまであまり関心は無かったのですがこの映画には深く考えさせられました。

・・・結局国はこの更正プログラムの欠陥を認め秘密裏にアレックスを手術し元に戻してしまうのですが、ここにもう一つのテーマ「国家による統制・強制」があります。
初めにアレックスに更正プログラムを薦めたのは政府のとあるお偉い様。初めこそ「世の中から犯罪を減らす特効薬」としてこのプログラムはもてはやされましたが、次第にその欠陥が露になってくると彼らは世論をかわす為そして保身の為に躍起になり始めました。アレックスはある日飛び降り自殺を図るのですが(もちろん更正プログラムの影響)、政府はそれを良しとして彼の意識が無い内に手術を行ない洗脳を戻してしまいます。その後アレックスは何も知らず政府の用意した病院で政府の手厚い看護の元療養する事に。そして政府はその事すらも宣伝として利用してしまうのです。
"我々は気付かない間に国というものに統制され管理されている"と言う事をここでは表現したかったのではと考えています。アレックスの様に自分が利用されている事も気付かないまま一生を過ごしていく・・・。でもどうする事も出来ないんですよね。国に統制され管理されているという事実に対して実際のところ自分は何も感じません。それが感覚の麻痺なのかそれとも危機感の欠如なのかそれは分かりません。ただ単に日本という国が平和な証拠かもしれません。これまた深く考え込んでしまった所です。


と自分が思った事をつらつらと書き流してきましたが、この映画とにかく暴力表現がアレなので中々その意味している所が見えにくい映画でもあると思います。オブラートに包まれた狂気ではなく、狂気に包まれたオブラートのような。もし71年に自分がいてこの作品を見たとしたらその時一体何を考えただろう??

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orange2.jpg全く関係無いのですがアゴゲン16巻に出てきた万太郎の家のオブジェ、映画の中に出てきたミルク・バーからとったものだったんですね。

時計仕掛けのオレンジの世界は近未来のイギリスを表現したとの事ですが、彼らの奇抜なファッションを初め至る所に見られる前衛的オブジェ等々やっぱり当時としては異色中の異色作品だったんだろうなぁ。エアロビおばさんの家の置物とか思わず笑ってしまいましたよ。





 



 
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2006/01/08 00:38】 | 映画 | コメント(3) | page top↑
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コメント
なかなか
なかなかしっかりした見方をされていて素晴らしいと思います。71年あたりでは常に全体主義的な考え方が脅威になっていた時期ですので選択権や統制がテーマであることは間違いないのではと考えます。暴力礼賛の映画ような言い方をされる方もありますが「あえて誤解を恐れず」の映像化ではないでしょうか。また見せていただきますのでよろしくお願いいたします。
【2006/01/08 18:43】 URL | orang-u #-[ 編集] | page top↑
orang-uさん>
コメントありがとうございます。この通りの青臭い文章でありますが読んで頂いた事に感謝しております。

この「時計仕掛けのオレンジ」は観る人の環境によって大きく印象が異なる作品なのではないでしょうか。文章にも書いたとおり、仮に自分がこの映画をタイムリーに観たとしたらまた違った事を考えるでしょう。もっと歳をとってから初めて観たとしても同じです。

『ある芸術作品に関する意見がまちまちであることは、とりもなおさず、その作品が
斬新かつ複雑で、生命力に溢れていることを意味している』 というオスカーの言葉にはなるほどと言わざるを得ません。
【2006/01/09 21:16】 URL | tak #-[ 編集] | page top↑
できればこれもよろしく
失礼かもしれませんがこれよろしく。http://jbbs.livedoor.jp/sports/31378/
【2007/02/01 15:25】 URL | qentin #dvJyO7Pw[ 編集] | page top↑
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